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イベント

「家業イノベーション・ラボ What’s up Tsukuba!! vol.2」開催

2019.4.6

最近、家業イノベーション・ラボの実行委員会では、ファミリービジネスに「家業」+「自分らしさ」の発想にもとづき事業承継へのアクションを起こしたならば、日本の未来を拓くカギになれるのでは、ということを追求しています。そんな中、up TsukubaTsukuba Place Labとの協働でスタートした「家業イノベーション・ラボ What’s up Tsukuba!!」のvolume246日に開催した際、ゲストスピーチいただいた2名から大きなヒントとなる話を伺いましたので、ご紹介します。

小野瀬 征也さん
1984
年生まれの34歳。4人兄弟の次男。
大学卒業後、SMBC日興證券、リクルートキャリアでお金とヒト、組織を学び、20166月より車の業界の経験をせずに、小野瀬自動車の代表就任(3代目)
http://onose.co.jp/

茨城県ひたちなか市で自動車整備や販売を手掛ける小野瀬さん。「これからの人の足は下駄からクルマにかわる」―初代の代表が発したひと言をきっかけに、戦後間もない頃に下駄屋からクルマの整備工場へと変化させ、以来約65年に渡り事業展開している。

もともとは、次男であることもあり、事業承継などは全く意識せず、証券会社や人材会社で営業マンとしてキャリアを積んでいた中、とある日、家業の雲行きが怪しくなったことより家業に戻る決意を固めたことを冒頭で説明くれました。

小野瀬さんが家業に戻り、愕然としたことのひとつに、長年の付き合いだから、という理由で整備技術の料金を安く提供することが慣習化しており、結果、整備士たちのモチベーションが下がっている様子を目の当たりにしたことだそうです。そこで、優先的に手掛けたのは営業体制の強化、ブランディングの強化、そして、販売方法やビジネスの新たな仕組みづくりへ注力し、立て直しを図るチャレンジを図ったことを話してくれました。結果は如実に表れたそうです。例として、誇るべく技術力に見合った適正価格を明示化する。そしてその技術力を見える化し、SNS上で整備前・整備後の違いの分かる写真を添えて紹介することに注力。この努力を重ねた結果、客層に変化が現れ、遠方であっても修理を要望する人が増え、その期待に応えるために、整備士たちは腕を振るうという連鎖が生まれたそうです。

小野瀬さんは、社員のモチベーションがビジネスに影響することを実感し、そのことこそ最大の学びであり、またビジネスにも意義をもたらした事である旨、語られました。特に「技術屋なので接客は苦手」「技術に自信が持てないから接客は控えたい」、といった消極的な態度であった社員たちでさえ、目を見張るほど変わったそうです。小野瀬自動車の業績は引き続き伸長しており、その秘訣を訊ねたところ、「全ては働いている人のイノベーションが起きているからこそにつきる」との答えでした。

「新車や中古販売、保険などを組み合わせることで、家業の整備工場という強みを最大化できるはず」との考えのもとから、目下、小野瀬さんは「小野瀬自動車を地域と共に歩む「車の町医者」」としての存在を高めることにチャレンジを図っている。「イノベーションのイメージは、変革や革新性などの言葉に引っ張られがちだがそうではない。ビジネスをどうしたいのか?何をやりたいのか?を軸に、必要な人材を整え、突き進むことこそイノベーションであるのかも、と感じている」と語ってくれた。実際に、この3年間で社員数は倍に、また売上を4倍にまで伸ばしてきた小野瀬さん。だからこそ、言葉ひとつひとつに重みが伝わってきました。

小野 哲人さん
株式会社 小野写真館 代表取締役 44歳

http://ono-group.jp/

小野さんは、現在、茨城県ひたちなか市を拠点に、家業のフォトスタジオ事業を基盤に、ブライダル事業、振袖レンタル事業を展開する小野写真館のトップを務めている。事業を承継した当初は約10名だった社員数を約170名まで育て上げた実績をもつ。

「家業の写真屋はださい、格好悪い、オタク、暗い―このイメージを腐食できなく、正直家業を継ぐことは全く考えていなかった。代わって起業して経営者になることを夢描いていた。」-そう語る小野さんは、大学卒業後に将来起業することを念頭に置き外資系金融業界に就職。しかしながら「自分は本当にこれでいいのか?」と悩み、家業を継ぐ決断をし、写真をゼロから学ぶためにアメリカの写真大学に進み、帰国後に家業を継ぐ事に。

経営理念は「世界に笑顔、幸せ、感動」。この理念こそ、代表となり、小野写真館のビジネスを10倍に成長させることの出来た秘訣という。

フォトスタジオで写真を撮影する際、家業にかかわり始めた当時は、フィルムで撮ることが主流な時代。それまでの撮影方法をガラリと変え、フィルムをデジタルに変え、また、スタジオ撮影へのこだわりから、お客さまの「表現したい」と思うシーンを再現するために、ビーチや公園、馬場といった屋外での撮影に注力。更には今でこそ当たり前な感じではあるが、様々なシチュエーションで撮った写真をホームページにアップして紹介する作業を地道に行ってきたそうです。

そんな作業を繰り返している中、写真館には大きな可能性があるかも、と考え始めたことがビジネスに大きな転機をもたらしたそうです。写真撮影の目的のうち、ブライダル写真が多いことに着目。そのため、ブライダル業界の市場規模を調べると2兆円近くに上ることに関心が高まり、であれば、ブライダル写真を撮るだけではなく、ウェディングのバリューチェーンそのものに関るビジネスに着手すべきでは、との思いが強まったそうです。結果、ウェディングドレスのレンタルをはじめ、ウェディングそのもののプロデュース、式場の提供といった、ウェディングに関る全てのビジネスを行う事業を展開し始めたとのことです。

同様に、成人式においても振袖姿の写真を撮るだけではなく、振袖のレンタル事業を立ち上げ、写真以外の新しいマーケットを構築することに成功したそうです。

「これらの発想が生まれるのも、家業の写真館がベースにあったからこそ。写真に新マーケットを組み合わせたならば、どんなビジネスに広げていけるかを積極的に考えてみたならば、写真館には大きな可能性があることが見えてきた。けれどもイノベーションといえるような、実は特別なことはやっていない」と小野さんは説明する。

写真‘+’事業の連鎖という発想。すなわち全てを繋げることを意識した結果、‘小野写真館’というコンテンツを基軸に、スケールすることにこだわりが芽生えたそうです。

小野さんが常に力を注いでいることは、企業理念(「世界に笑顔、幸せ、感動」)を社員に向けて口に出すことだそうです。口に出し続けることによって、社員との共感が生まれ、社員たちが自発的に共通するビジョンに向けてアクションを取っていく。そんな連鎖が生まれることで、社員のモチベーションが高まってくる。このことが大きな起因となり、売上を10年で10倍に伸長することができたという。

「自分の創りたい未来は家業があるからこそできたのだと、今改めて感じている。そこに自身の得意とする営業力を活かした結果、自分らしい家業を構築できているのだと思う」。こんな考えを登壇の最後に語ってくれました。

「家業」+「自分らしさ」で家業をスケールアップする―今回のイベントは、まさにそのことを体現されている家業イノベーターたちの話を聞く機会となりました。「家業イノベーション・ラボWhat’s up Tsukuba!! Vol.3」は6月の実施を予定しています。イベントの開催日時や詳細プログラムについては、決定次第、本ホームページにてご紹介しますので、楽しみにしていてください!

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