こんにちは!家業ラボ事務局の光野です! 第三回目となる今回は、秋田県横山市で、食肉総合卸・小売業として、牛・豚・鶏などの食肉の加工販売をおこなっていらっしゃいます、株式会社柴田畜産さんのプロジェクトをご紹介します!
食肉総合卸・小売業である柴田畜産さんは、仕入れた枝肉を正肉に処理、加工したうえで、カット肉として得意先である食肉卸やハムメーカー、食肉加工業者、小売店などに対して納入する体制をとっていますが、メインのお客様は大手食肉加工メーカーであり、安定的な卸業を営んでいるそうです。
業務の8割は、大貫(たいかん※親豚のこと)のカットを行い、大手食肉加工メーカー等へ原料供給するもの。大貫は、ハムやウインナー、挽き肉等に使われて、歯応えある食材になります。大貫のカットは、県内では柴田畜産さんを含み3社ほどしかないそうです。また、カット工場を持ちながら、家畜商の資格をもち、生きている豚を搬送出来る会社は、秋田県で柴田畜産さんのみです。大貫の他には、肉豚(若豚)をスーパーや給食センターなどにカット、スライス等して卸しています。その他に、直売所を建設し、直販も手掛けています。
それらに加え、4年前から自社で熟成生ハムづくりにも取り組まれているそうです。きっかけは、県内に生ハム工房を持ち、赤坂でスペイン料理店を営む金子さんという方との出会いで、代表取締役社長の柴田 諭さんはそれ以来生ハムの魅力に引き込まれていったそうです。
今回、インターン生を募集するにあたって、実際に取り組んでもらう内容が2つあり、その1つ目が、自社で生産した生ハムの販路獲得へ向けた営業マーケティングです。というのも、上記でも触れましたが卸業は販路が安定している反面、生ハムなどの販路開拓といった営業には力がいれられておらず、商品の魅力を伝えきることができずにいるという課題があるそうです。そのため、営業資料作成からターゲット選定、実際の営業によるマーケティング調査までを、学生と共に進めていく事にしました。
そして2つ目が、生ハムを用いた食育イベントの企画実施です。柴田畜産さんは、10年後ビジョンとして「食育の広場」というテーマパーク構想を掲げています。ハムやウインナーを作る「体験工房」や「BBQハウス」、「直売所」、生きた動物とふれあう「ふれあい広場」などを作り、体験を通して「食」について学んでもらおうというものです。生産者と柴田畜産さんと加工業社が一体となって食育について考え、地元の方々はもちろん、県内外に広く発信していこうというものになっています。
以上のような背景から、食育をテーマとしたイベントの企画・開催と生ハムの営業資料の作成と実際の営業の為にインターン生を募集したところ、この春、インターン生2名が現場に入り、プロジェクトに取り組みました。
まず、1つ目のプロジェクトである、生ハムの販売に関しては7年後に年間1000本の販売を目標に、営業資料の作成に取り組みました。柴田さんが、生ハムづくりの師匠として慕われている金子さんへのヒアリングや市場調査を通し、営業資料に盛り込む商品の強味を絞り込んでいきました。そしてなんと営業の結果、2店舗での商品の陳列が決まったとのこと!加えて、POP等お客様の目に触れる案内についても作成を進めていったそうです。
2つ目のプロジェクトである食育のイベントに関しては、社内へのヒアリングや対象となるスポーツクラブの小学生のコーチへのスポーツ栄養に関するヒアリング、養豚農家さんの想いを知るためのヒアリングや、栄養士の方から子供たちにどのように食について伝えているか等綿密な情報収集を行ったそうです。そして、小学生だけでなく、保護者の方も含めた「食」に関する感謝を通した人格形成を目的にプロジェクトをスタートしました。
小学生を対象にプレゼン形式でクイズやディスカッション等子供たちが飽きない工夫を施し、実施を計画していましたが、コロナウイルスの影響で、プレゼン形式でのイベントが難しく、実際はそういった内容をYouTubeへの動画投稿としてアウトプットしたそうです。動画の中では、スポーツ選手に必要な栄養をクイズにしたりして子供の関心を引きつつ、「いただきます」は誰のための言葉なのか等、内容は子供向けのものながらも、改めて食への感謝の気持ちを思い出させられるような内容のものでした。
インターンによるプロジェクトの推進はひとまず終了ですが、学生が行った取り組みも企業に残りつつ、また今後もさらに展開されていく事かと思います。商品の卸だけでなく、地域にとってこれからも必要とされる企業であるために、食育という面で貢献を考えられた柴田畜産さんの取り組みは、とても素敵だと思います。近々創業50周年を迎えるらしく、今後の食育テーマパーク実現に向けた取り組みも気になりますね!是非、募集要項で詳細をお読みしてみてください!
▽プロジェクト詳細ページ▽