【家業×副業人材事例記事】農業界に外部の知を!更なる飛躍に向けた現場・組織づくりの実現を外部人材と共に。

髙橋農林の髙橋龍太さんは、家業イノベーション・マッチングを活用して、2023年1月より外部人材を受け入れました。
(参考求人ページ:【経営・戦略参謀メンバー大募集】農業界に外部の知を!更なる飛躍に向けた現場・組織づくりの実現を目指して。 https://yosomon.jp/project/3441
今回は、髙橋さんにYOSOMON!副業人材を受け入れた背景と、受入後の状況について伺いました。
※家業イノベーション・マッチング概要:https://kagyoinnovationlabo.com/about/matching/

家族経営に多様性とプロフェッショナルの知見を

——まずは髙橋さんご自身と髙橋農林がどのような企業か教えてください。

北海道十勝芽室町の農家6代目として生まれ育ち、海外農業ベンチャー等を経て、2019年に家業へ入りました。
家業の歴史は、1900年の北海道への入植から始まります。
現在の主事業は、農産物の生産・販売(主に麦、豆、コーン)。 それに加え、農業生産の合間に林業や他社業務支援(農業関係)も行なっています。

——経営革新プログラムで、外部人材を募集しようと思った経緯を教えてください。

家業に戻ってから数年、通常業務と並行して、現場・経営改善を進めてきました。複数の施策を形にした結果、一定の成果を生めています。
しかし、家族経営という多様性が少ない世界で、私自身の視点やアイデア、行動の量と質に限界が生まれ、成長機会を損失しているのではないか。
そんな危機感を抱き始めました。

農業界においても、非凡な現場・組織をつくり上げたいという目標もあり、
課題解決人材の質と量(特に現役ビジネスプロフェッショナルの知見)を増やすことが不可欠であったことから、外部人材の募集に至りました。

外部人材との協働効果を、最大限発揮するために

——3ヶ月間のプロジェクトはどのような内容だったのでしょうか?

選考を進める中で、プロジェクトの業務が広範囲に渡っていたこと、外部人材の方々の能力や経験が異なることから、1名ではカバーしきれないと感じました。
そのため、複数名で行う体制が良いと判断し、今回は2名の方とそれぞれの専門領域で協働するプロジェクトを立ち上げました(2023年1〜3月の3ヶ月間)。
具体的には、人事、組織開発、総務領域等の課題をAさん(東京)、財務、経営企画/戦略領域等の課題をBさん(海外)と共に向き合いました。

——どのような成果がありましたか?

Aさんとは、20を越える組織/経営管理関連の施策をレビュー・改善策の立案を実施しました。
Bさんとは、事業特性・自社優位性の分析から、経営戦略のブラッシュアップを行いました。

Aさんとの成果としては、他社の人材育成方法の応用や新たな採用チャネルの開拓方法等、組織がより良くなるための打ち手が洗い出され、
Bさんとの成果では、今後の自社の成長にむけて、磨くべき競争優位性が明らかになりました。

どちらにおいても、2023年度以降に行うべきことが明確になったため、プロジェクト後の現在は粛々と実行に移しています。

——今回、オンライン中心の副業人材の受け入れで成果を上げていくために、髙橋さんが気をつけられていたことはどんなことですか?

大きくは3つあります。1つ目は、副業人材の方へ共有する情報の量と質です。
外部人材の方は知的アウトプットが主となるからこそ、考える材料となる弊社のインプットは不可欠だと想像しました。
そのため、現状や過去の経緯を含め、こちらからの情報共有には様々な工夫やエネルギーを投じました。

2つ目は、多様な視点・意見を受け入れられる柔軟性と変革力です。
外部人材の方の価値の一つには、それまで無かった視点や知見からの意見を頂けることがあります。
異なる意見を受け入れ、変える判断ができる柔軟性、そして、実行し切れる変革力を備える重要性を、改めて痛感しました。

最後の3つ目は、プロジェクトの想いに対する熱量や覚悟です。
外部人材とのプロジェクトを良くするための工夫は、挙げたら切りがありません。
しかしながら、プロジェクトの成否や成果を左右するのは、担当者自身の熱量や覚悟の度合いだと感じる機会が何度もありました。

家業の歴史を加速させる外部人材活用

——今回初めて副業というかたちで外部人材を受け入れてみて率直な感想をお願いします。

まず素直な気持ちとして、取り組んで良かったと感じています!
本来の目的であった外部の知を入れることに関しては、期待以上でした。
加えて、「外部人材活用」という未知の取組自体にも知見や経験を得ることができ、この外部人材活用を更に展開していける基盤も作れました。

外部人材活用の魅力は、「家業の歴史を加速させる」ことにあると感じます。
※「歴史は飛ばない、しかし加速できる」(中村邦夫:松下電気元会長)

参画頂いた外部人材の方を正社員で雇用するには、おそらく10〜15年ほど先では無いと難しいと感じるほどに優秀な方々でした。
また、今回のプロジェクトを、自分1人で進めていた場合、決して3ヶ月で進められる量ではありません。
外部の知・人が加わったことにより、(体感だと約2年先の世界にまで)家業を前へ進めらました。

——副業人材受け入れたことで、新たな展望がありましたら、お答えいただける範囲で教えていただけたら幸いです。

「農業界に外部の知を!」を掲げる弊社として、外部人材活用は継続して活用していこうと考えています。

家族経営の零細組織ゆえに、今後の成長のために解決しなければならない課題は山積みにあります。
今回、実際に2名の方と取り組む中で、外部人材の参画は、組織の成長を加速させる確信を得ることができました。
また、特に多くの方との選考を通じ、外部人材に興味を持たれている方の多種多様さや想いも知れました。

今後は、外部人材の活用を特別なものとして捉えず、会社のフェーズや課題に応じ、積極的に社内外の人が協働する世界の実現を目指します。

——副業人材を受け入れることを検討されている企業さんや後継者の方へアドバイスやメッセージがあればお願いします!

何とかしなければならない課題がある、実現したい世界がある、けれど、人材の質や量の問題で忸怩たる想いがある企業や後継者の方であれば、
外部人材活用はその前進に向けて大きな一助になると思います!

外部人材という形で、これまで社内では存在しなかったようなプロフェッショナルの方との協働は、組織を動かす・変える力になります(間違いなく!)。
もちろん、初めての試みであったために、プロジェクトを進める過程で、様々な問題は発生し、時にうまく行かないことも起きました。
しかし、実際に取り組んでみなければ、問題にも、その解決策にも、辿り着くことは出来なかったと思います。
だからこそ、副業を取り組む/取り組まないで悩んでいるのなら、腹を括って挑戦してみたほうが得られるものが多いことを、私自身感じました。

外部人材活用に対して不確実性要素がなかったかと言えば嘘になりますが、それ以上に可能性と危機感から、YOSOMON !への掲載を決めました。
結果、その決断は大正解だったと、プロジェクト後の現在、自信を持って言うことができます。

地方で奮闘している企業、地方に貢献したい人にとって、外部人材制度は間違いなくプラスになると実感しています。
私自身も、プロジェクト名にもありますが、「農業界に外部の知を!」という未来を更に実現できるよう、この経験を活かしていきます!
最後になりますが、改めて事務局の皆様をはじめ、関わってくださった多くの方へ感謝を申し上げます。