「先輩家業後継者に学ぶキャリア相談会vol.2」を開催しました!

10月5日に、家業を持つ20代若手人材が、家業を継ぎイノベーションに取り組む先輩後継者に悩みを相談するキャリア相談会を開催しました。第二回となる今回は前回とは異なるゲストで開催し、プランティオ株式会社の芹澤孝悦氏、カタシモワインフード株式会社の高井麻記子氏、玉川釉薬・合同会社プロトビの玉川幸枝氏にご登壇いただきました。今回参加した家業持ちの若手人材は3名で、それぞれが持ち寄った悩みを1対1の形式で先輩後継者に共有していきました。

1対1のクローズドな場だからこそ話せる、外に出せない悩み

今回参加した家業持ちの若手人材は3名で、それぞれが持ち寄った悩みを1対1の形式で先輩後継者に共有していきました。例えばあるグループでは、家族との関係についての悩みが共有されました。共に家業を継ごうとしている兄と先代である父の関係について悩みを打ち明けた若手後継者に対し、同じく姉妹と親との関係に苦戦した経験のあった先輩後継者からは、家族とのコミュニケーションを円滑にする際に自分が実施してうまく行ったことなどの共有がありました。

家業を持つ者の親や兄弟との家族の関係は、事業を承継する、承継させるという立場であることから、通常の関係とは違う点も多々あります。そういった悩みを、似たような家庭環境にある先輩後継者に相談し、その時にいかにして乗り越えてきたかの共有を受けることで若手人材自身も「自身の考えていたことを言語化することができ、不安だった部分が少し晴れやかになってきた」と語っていました。

経験に基づいた具体的なアドバイスで承継後の取り組みを明確に

参加した若手人材の中には、家業のリソースを用いて起業を考えている参加者もいました。その参加者は、同じく家業のリソースを用いて起業した先輩後継者への相談を行いました。起業を行うタイミングや、事業計画から資金調達の手段など、起業に必要な要素の確認を行った後、起業後の会社と家業の関係についてや、既存従業員とのコミュニケーションについて等、今後検討していかなければならない事項について、先輩からの共有を受けていました。

家業のリソースを用いて行う起業は、既に土台となる事業がある分有利という印象があるかもしれませんが。しかし、事業を継続していくことの難しさは通常の起業と何ら変わりないという点に加え、家業自体を「新しい挑戦に取り組む風土」に改革していくことの難しさ等、家業だからこその難しさもあります。

それを経験した先輩後継者との相談の場を経て参加者は、「悩みの解消だけでなく、事業のブラシュアップをしていただけたことが本当に良かった。起業に向かって挑戦したいという意欲がまた湧いてきた」と参加後に話していました。

今回の実施で改めて、家業の先輩が今まで積み重ねてきた経験や、後悔、ぶつかった壁の乗り越え方等を共有することで、次世代の後継者の意欲を掻き立て、承継にポジティブな意欲を形作っていくと同時に、「こういった悩みを抱えているのは自分だけではない」という意識を持つことで、自身の承継への不安を軽減する場となっていたように思います。

先輩から受け継がれる家業の承継時の経験、イノベーションへの挑戦の面白さ、大変さ、それらが今後の家業イノベーターの助けとなるように、縦の関係を繋ぐお悩み相談の場を今後も開催してまいります。

▼第一回開催レポートも合わせてご参照下さい。

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