東海圏で抜群のシェアを誇る!建設機器のレンタル老舗企業「マツオカ建機株式会社」の松岡社長にインタビュー

マツオカ建機株式会社は道路・鉄道・河川や港湾・コンビナートに至るまで、まちのインフラ構築に欠かせない建機レンタル業を営む会社です。創業から約 80 年もの間、東海圏のまちを構成するインフラの構築を支え続けてきました。クレーン車や高所作業車、発電機、仮設材、コンプレッサー、レンタカー、水中ポンプ、ユニットハウスなど、求められればどんなものでもレンタルできるのがマツオカ建機株式会社の特徴です。 今回は、同社でさまざまなイノベーションに取り組む、マツオカ建機株式会社 代表取締役 松岡 賢 様 にお話を伺いました。

―では、松岡社長の自己紹介をお願いします。

マツオカ建機代表取締役の松岡賢と申します。現在 46 歳でこの会社に入って約 20 年です。 当時経営者であった父の急逝を機に入社しました。マツオカ建機は、建設現場で使われる機材などのレンタルを行っています。「現場が終わると無くなってしまうもの」をキーワードに、幅広い商品を取り扱っています 。

自社の強みのひとつは、建設現場に設置される仮設事務所の建設・レンタルや外部足場の組み立てなど、レンタルに伴った仮設工事を行っていることです。昨今、建設工事に関する仕事は人手が足りていませんが、マツオカ建機では、すべて自社の社員で工事に取り組んでいます。

―建機レンタル業界について教えてください。

ご存じのように、現在はサブスクリプションやシェアリングといったものが流行っています。「所有して使う」から「利用する」に市場ニーズが変わっています。なかでも建設業界は早くからレンタル・シェアリングといった概念が浸透していて、だいたい建設現場で使われる 70 の機材はレンタルが主流です。

今後、さまざまな技術革新によって新しい機材が登場すると思われますが、これらもレンタルのニーズがあり、市場規模が拡大していくと予想します。ちなみに、建設需要は過去 30.40 年で半減しているのですが、一方で建機レンタルのマーケットは伸びています。

―これから先、マツオカ建機ではどのような事業展開を考えていますか?例えば既存のレンタル業を伸ばしていきたいのか、あるいは別の事業を考えているのか?

主に 2 点あります。 1 点目は既存事業の海外進出です。日本で我々が提供しているサービスは、把握している限り世界最高品質だと思います。納期のリードタイムや製品の供給バラエティ、仮設工事の品質はかなり高いんですね。将来ビジョンは、日本で培った仮設レンタルサービスを海外に輸出していくということ。現在も中国やカンボジアで進めていますが、すでに手ごたえを感じています。

2点目は、“今まであり得なかった モノ ”をレンタルするという事業です。たとえば、現在熊本県で地熱発電所を貸しています。この事業は女性の営業チームが頑張ってくれています。太陽光発電所も 10 か所ほどレンタルしています。ですからあり得なかったモノをいつも探していますね。「え?」と驚かれるような 、たとえば飛行機とかね(笑)お客様としてご満足いただけるものでないといけませんが、常に新しいものはないか市場調査しています。

マツオカ建機の社員の育成について


―資料によると、社員数が約 200 名、平均年齢が 33 歳とあります。若手社員へ技術やノウハウを伝えていくことが大切になると思いますが、重要視していることはありますか?

社員教育にはしっかり取り組んでいます。主に 2 点あり、スキル教育とマインド教育に分けています。スキル教育は技能の伝承を目的とし、動画教育やアプリを使ってスマホから作業手順を確認するなど、従来とは違う方法に挑戦しています。

一方マインド教育は、社員の人間力の向上を目的としています。人間力とは、たとえば自分が困っているときでも相手に手を差し伸べられるか、ということです。困難な状況であればあるほど自分の人間力が試されます。マインド教育では、「 7 つの習慣(スティーブン・R・コヴィー著)」を読み合わせて感想を発表し合うバズセッションや、社員が自分の仕事のやりがいを見つけるためのグループワークなどに取り組んでいます。マツオカ建機に入ってきた社員が、仕事を通して人間的に成長していくことを大切に思っています。

―社員の成長を実感するときはどのようなときですか?

若い子たちは吸収力がありますから、日々成長してくれています。特に営業職の子たちの成長は、すぐ見て取れます。お客様の方から「○○君はようやってくれとるよ!」という声を聞くこともあり、客観的に見て成長を感じますね。

あとは、社員との会話をする中で、話の目線が上がったなというとき。たとえば、「仕事が大変だなぁ…」といっていた社員が「お客さんから信頼されて嬉しいです!」という言葉を発するようになると、成長を実感できますね。

―反対に、若手社員と接する中で松岡社長自身が気づかされる、自分の成長につながる部分はありますか?

ありますね!たとえば、専門新聞で得た工事現場の情報を案内すると、営業のとある社員はすぐにそこへ行くんです。見ず知らずの所へ営業に行き、受注をしてくれることがあるんですね。私も経営に携わって長いものですから、知らない現場に飛び込んで営業を取ってくるというのは、「すごいな」と…。自分ももっと頑張らないと、と思いますね。

あと、若い社員たちとしゃべっていて、私自身はAだと思っていることでも、社員は「いや、Bだと思います。根拠はこうで…」と、という意見をよくもらえるので、そのたびに社員から新たな気づきを得ています。

松岡社長のあゆみとこれから


―入社された当時のエピソードを教えてください。

私はもともと、一人で行商のような仕事をしていました。色んな所に行ってモノを売っていましたが、先代である父親が急逝し、当時、身内が母親しかいませんから、戻らなければいけないと思いました。父はカリスマ的な存在だったので、突然のことに会社は混乱したところもありましたが、総務部長をしていた母が指揮をとって、みんなで乗り切ろうと切り盛りしてくれたと思います。

―マツオカ建機の経営者として決意や覚悟が定まっていったのはいつ頃ですか?

実をいうとここ最近かもしれませんね。最初は「毎回ボーナスを出す」というのが目標にありました。それが行き過ぎて、会社は利益を出すべきものだ、という考え方になりました。しかし、「マツオカ建機は何のためにあるのか」と考えることや、ほかの経営者仲間との交流を通して、8 年ほど前から利益よりも社員の幸せ・生活を大事にしようという考えに落ち着きました。そのころから経営者の覚悟が定まったという風に思います。

―それでは最後に、先代から譲り受けたマツオカ建機のなかで守っていきたいものと変えていきたいものを教えてください。

守るものは会社のなかに育っているアイデンティティ、たとえば会社の社是「全力 I DO MY BEST」や行動指針です。変えていくものは、アイデンティティ以外全部ですね。成長路線に乗れるようなビジネスモデルに転換していくことが大事です。今はレンタルを柱にやっていますが、この先ずっとレンタルにこだわる必要はありません。変わらないことが恥だと思ってやっていきたいですね。

―貴重なお話をありがとうございました。


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