【家業×副業人材事例記事】ものづくりtoB企業が、toCの道を副業人材と共に切り拓く

ナイトー工業株式会社 代表取締役の内藤照幸さんは、
家業イノベーション・マッチングを活用して、副業人材とともに自社製品のマーケティング戦略策定に取り組んでいきました。
■家業イノベーション・マッチング概要:https://kagyoinnovationlabo.com/about/matching/

BtoC事業の確立を目指して

——まずは御社について教えてください。
 
ナイトー工業は、昭和42年に父親が創業したスチール製階段手すり製作、鋼材の曲げ加工などをおこなう静岡県浜松市の小さな製造業です。
創業時から取締役だけでなく従業員まで大半を親族が占めています。2015年に父親から会社を承継しました。
ここ数年建設業全体、景気状況は下降気味であり弊社にも大きな影響がありました。
その中で2020年に自社で値決めや納期等を決められるBtoCの新規事業を目指して自社製品開発に取り組み始めています。

——なぜ「家業イノベーション・マッチング」に参加しようと思ったのですか?
 
2020年10月には、初めての自社製品としてソロキャンパー向けに「ポータブルロケットストーブ・てんぐの小太鼓」を開発しました。
クラウドファンディングで目標額30万円を開始1時間で達成。最終的に700万円を超える応援購入金額、344人の支援者を獲得することができました。
(「てんぐの小太鼓」クラウドファンディングページ:https://www.makuake.com/project/naito-kk/

最初はクラウドファンディングの効果もあり注目を浴びていたのですが、段々と類似製品も増えていき、弊社の製品の売れ行きが悪くなっていきました。
弊社は初めてのBtoC製品ということもあり、BtoCマーケティングノウハウもなく、苦労していました。
主事業の苦戦が今年度以降も予想されるので、このBtoCの新規事業にテコ入れをし、
既存のBtoB事業に依存しない会社体質への経営革新を実現させていきたいと考えて家業イノベーション・マッチングにエントリーしました。

——副業人材とはどんなことに取り組んでいきましたか?
 
「ポータブルロケットストーブ・てんぐの小太鼓」の製品と共に、副業人材と取り組む期間中、アウトドア商品の第2弾として
『いつでもどこでもアウトドア風呂。ロマンを叶える簡単DIY「てんぐの小風呂」』
のクラウドファンディングをスタートさせていたので、2つの製品の個別ごとのマーケティング戦略を策定していきました。
(「てんぐの小風呂」クラウドファンディングページ:https://www.makuake.com/project/naito-kk02/

分析と戦略立てを具体化させた3ヶ月

——副業人材と取り組んだ3ヶ月間は具体的にどんなことですか?
 
3ヶ月で下記のことに取り組んでいただけました。
①クラウドファンディングをメディアで記事化&プレス記事の作成
②てんぐの小太鼓のSWOT分析、ペルソナ像案作成
③てんぐの小風呂の訴求方法の検討
④具体的な販売促進の打ち手の洗い出しと優先順位づけ

①クラウドファンディングをメディアで記事化&プレス記事の作成
プロジェクト開始してすぐに「てんぐの小風呂」のクラウドファンディングの公開があったので、
まずはこのクラウドファンディングのことをアウトドアメディアでご紹介いただきました。
同時にメディア向けのプレスリリースを作成し、発信も行いました。
(メディアに掲載された記事:https://www.motomegane.com/outdoor/naito_tengunokoburo_20220723

②てんぐの小太鼓のSWOT分析、ペルソナ像案作成
アウトドアメディアのライターをされているだけあって、将来どうなっていくかの解像度も高く、
将来予測踏まえて弊社の製品の分析やペルソナ像の作成をしていくことができました。
数年前からアウトドア製品を出していく企業も増え、またキャンプなどを趣味とするユーザーも爆発的に増えました。
その中で、これが将来伸びていくものなのかや現状のユーザーは何を目的としてアウトドアを楽しんでいるかの仮説がとても参考となりました。
ペルソナ像案は、3つのペルソナを描き、それぞれ「ライフスタイル」「情報収集の仕方」「趣味嗜好」「収入・購買チャネル」「3年後の未来」
などを言語化していくことで、これまでなんとなくのイメージだったものが具体化されていきました。

③てんぐの小風呂の訴求方法の検討
外でお風呂を沸かすことができるてんぐの小風呂は、主に「男性のロマン」「女性が災害時のいざという時のもの」を想定していました。
違うターゲットに対して同じ見せ方が難しいのではないかという中で、各ターゲットに絞った場合にどうなっていくのか、
あえて両立するならどのような訴求の可能性があるのかを検討していくことができました。

④具体的な販売促進の打ち手の洗い出しと優先順位づけ
これまでのペルソナ案に基づき、具体的な「てんぐの小太鼓」「てんぐの小風呂」を売り出す、
てんぐブランドの打ち手(コラボ商品・イベントの開発、メディアやyoutuberとのタイアップ等)を提案していただきました。

ここで3ヶ月を終え、締めくくりとなりました。

——内藤さんにとって今回はどのような機会となりましたか?
 
当初何から手を付けていいのかも、またこの三か月のゴールをどうするのかもわからぬままのスタートでした。
その状態から落としどころを付け、具体的な行動指針まで示していただけたことに大変満足しています。
また、副業人材の方の本業の関係から名古屋のマルシェイベントにて両商品の展示もすることが出来ました。
これは、本業をもつ副業人材ならではのことだったなと面白みを感じました。
今回計画していったことを、今後着実に進めていきたいと思います。ありがとうございました!

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https://kagyoinnovationlabo.com/about/keieikakushin2023/